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できもの

アテローム(粉瘤)

粉瘤とは、良性の皮膚腫瘍の一種です。

何らかの原因により、皮膚の内部に皮膚と同様の構造をもった袋ができ、内部に角質(皮膚の垢)と皮膚の脂(皮脂)が溜まっていく状態です。
原因としては外傷やウイルス感染が考えられていますが、ご本人が気づかないうちにできていたという場合が多いです。

患者様ご自身は「脂肪の塊」として認識していらっしゃる場合が非常に多いですが、実際にはそうではなく内部にたまっているのは角質(皮膚の垢)で、脂肪腫とはまた別物です。時に感染を起こして赤く腫れあがることがあります。痛みを伴いますので、ご来院されるきっかけとなることが多いようです。

治療:強い炎症を伴う場合はすみやかに切開(表面の皮膚を少し切ること)して、膿みを外に出しますが、特に赤みや痛みを伴わない場合は、外科的切除手術(メスを使ってアテロームを表面の皮膚ごと切り取って縫ってしまう)をすることになります。巨大なものでなければ、局所麻酔の日帰り手術が可能です。

手術は形成外科医師担当になります。

ほくろ

ほくろにも様々なタイプのものがあり、まずは診察にてダーモスコピー(皮ふを見る拡大鏡)を使って視診上の診断を行います。

ご本人がほくろだと思っていても、別の皮膚疾患であることや、皮膚の悪性腫瘍をうたがう状態の場合もございます。必要な場合には病理検査(顕微鏡をつかった詳しい検査)を行うことも可能ですので、まずは当院へご相談ください。美容目的の場合には自費になります。

治療:局所麻酔後に、CO2レーザーを用いて切除します。(必要に応じて、大きさなどにより縫合を行います。)

 

いぼ

イボにもいろいろなタイプがあります。お顔で多いのは脂漏性角化症です。

脂漏性角化症とは、良性の皮膚腫瘍の一種です。顔面にも身体にも出現する可能性が誰にでもあり、年齢ともに徐々に数や大きさが増してきます。

最も見る機会の多い子供の手足などにできるイボとしましては、尋常性疣贅とよばれるものです。

基本的には視診にて診断が可能ですが、大きさや性状によっては病理検査を行うこともございます。

治療:イボの治療は、未だ特効薬や特効的治療法は無いと言うのが現状です。イボの種類や発生部位などが患者さんよって違いますから、治療は液体窒素を用いた冷凍凝固療法の外用療法やヨクイニン内服療法などの中から、それぞれの患者さんに最も適していると思われるものを選んで行います。

 

にきび

にきびは、皮脂(皮膚のあぶら)の分泌が多いことと毛穴の先が詰まることで、毛穴の中に皮脂がたまることで始まります。この状態が面皰(めんぽう)です。面皰の中は、皮脂が豊富で酸素が少なくアクネ菌が増えやすい環境にあります。アクネ菌はどんな毛穴にもいる常在菌ですが、数が増えると炎症を起こして赤いぶつぶつしたにきびや膿がたまったにきびを引き起こします。強い炎症を生じて、毛穴の周りの皮膚に障害を与えると、ケロイド状に盛り上がったり凹んだりして瘢痕(はんこん)を残します。

大人になってからも、ストレスなどが原因でホルモンが過剰になったり バランスがくずれたりするとニキビができやすくなります。

治療:アダパレンという毛穴の詰まりに効果があり、にきびをできにくくする薬と、アクネ菌や炎症に有効な抗生物質の飲み薬と塗り薬を強く推奨しています。

内服:抗生剤、漢方薬
外用:光治療 クリアタッチ

当院でのにきび治療は保険診療のみではなく、それぞれお患者様の症状やライフスタイル、ご予算に応じて診察時にご提案致します。

 

顔にできることの多いできものの種類

良性のもの

●ほくろ
メラニン色素を含む細胞が集合してできた黒褐色の小さな腫瘍
●汗管腫(かんかんしゅ)
瞼とその周囲にできる、汗を出す汗管が増殖したできもの。1~3㎜で盛り上がっている。
●尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
いわゆるいぼ。ウイルス感染によってできる。皮膚から盛り上がっていることが多い。
●脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
紫外線を浴びることによってできる茶褐色のいぼ。皮膚がんと見分けることが必要。
●脂腺増殖症(しせんぞうしょくしょう)
高齢者に多い額や頬などの脂腺が増殖してできる1~3㎜の大きさで盛り上がっているできもの。
●日光角化症
紫外線を浴びることによってできる褐色のかさかさしたいぼ。皮膚がんに移行することもあり注意が必要。
●粉瘤(ふんりゅう)
皮膚の下の袋状の嚢腫に角質や皮脂がたまってできるできものでアテロームともいう。
●スキンタッグ・軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)
高齢者に多い1~5㎜の柔らかいいぼのようなもの。首まわりにできることが多い。
●稗粒腫(はいりゅうしゅ)
主に眼の周囲にできる1~2㎜の白い硬いできもの。
●脂肪腫(しぼうしゅ)
皮膚の下の脂肪組織が増殖してできる。額などに多く盛り上がってしこりになる。
●老人性血管腫
高齢者に多い1~5㎜の赤みのあるほくろのようなできもの。若者にもできることがある。

悪性のもの(皮膚がん)

●悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)
メラニン色素を含む細胞ががん化したできものでメラノーマともいう。
●基底細胞がん(きていさいぼうがん)
毛穴や汗腺の細胞ががん化した悪性のほくろのように見えるできもの。
●有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)
皮膚の角化細胞ががん化したもの。

 

痒み

痒疹

痒いポツポツとした赤い皮膚のもりあがり(丘疹)がパラパラとちらばってできる病気です。すねのあたりやお腹まわりに限られるタイプから体中にできるタイプまで様々です。またおのおのの丘疹が1週間程度で治ってしまう急性のものから、何か月も治らず茶色の硬いイボのようになってしまう慢性のものまであります。

虫刺されがきっかけのことやアトピー性皮膚炎のようなアレルギーが関係していることもありますが、そうでない人もたくさんみられます。またまれに内服薬が原因になっている場合もあります。

治療:多くはステロイド外用薬とかゆみに対して抗ヒスタミン薬が用いられます。体中にある場合には紫外線療法を行うことがあり、かゆみにもよく効きます。痒いイボのようなかたまりがなかなか消えないときには液体窒素による冷凍凝固療法も行われます。その他にビタミンD3軟膏が有効なこともあります。しかしステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬以外は保険適用外の治療です。症状の非常にひどいときにステロイド薬や免疫抑制薬の内服が行われますが、この病気で長く飲み続けることは望ましいことではありません。

 

アトピー性皮膚炎

痒みを伴い慢性的に経過する皮膚炎(湿疹)ですが、その根本には皮膚の生理学的異常(皮膚の乾燥とバリアー機能異常)があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。慢性的ではありますが、適切な治療をきちんと受ければ、いずれ治ったと同様の状態になることが期待されます。

それぞれの皮疹の重症度

重症: 高度の腫脹/浮腫/浸潤ないし苔癬化を伴う紅斑、丘疹の多発、高度の鱗屑、痂皮の付着、小水疱、びらん、多数の掻破痕、痒疹結節などを主体とする。
中等症: 中等度までの紅斑、鱗屑、少数の丘疹、掻破痕などを主体とする。
軽症: 乾燥および軽度の紅斑、鱗屑などを主体とする。
軽微: 炎症症状に乏しく乾燥症状主体

治療:アトピー性皮膚炎は遺伝的素因に加え、様々な内的、外的悪化要因を持った皮膚病ですので、現時点では病気そのものを完全に治す薬物療法はありません。従って対症療法が治療の原則になります。
1)ステロイド外用薬
アトピー性皮膚炎の炎症を充分に鎮静することができ、その有効性と安全性が科学的に立証されている薬剤です。
2)非ステロイド系消炎外用薬
炎症を抑える力は極めて弱く、接触皮膚炎(かぶれ)を生じることがまれではなく、使う場面は多くありません。
3)カルシニューリン阻害外用薬(タクロリムス軟膏)
アトピー性皮膚炎の新たな治療薬として1999年に登場した薬剤です。軟膏には0.1%成人用(16歳以上を対象)と0.03%小児用(2~15歳を対象)があり、顔の皮疹に対してステロイド外用薬のミディアムクラス以上の有用性があります。本剤の薬効はステロイド外用薬のストロングクラスと同等ですので、あまり重症度の高い皮疹では十分な効果が得られません。
当院では、治療効果を感じられるまでの時間が短い、かゆみがおさまるのが早い(乾癬の場合)、副作用のリスクが少ないなど、期待の最新紫外線治療機器紫外線照射器VTRAC(ヴィトラック)を導入しておりますが新規の治療受付を停止しております。ご了承ください。
4)デュピクセント
「IL-4」と「IL-13」という物質(サイトカイン※)の働きを直接抑えることで、皮膚の2型炎症反応(Th2細胞による炎症)を抑制する新しいタイプのお薬です。アトピー性皮膚炎の皮膚の内部に起きている炎症反応を抑えることによって、かゆみなどの症状や、皮疹などの皮膚症状を改善します。
※体内の細胞同士の情報伝達を行うタンパク質。

皮脂欠乏性湿疹

皮脂欠乏性湿疹とは、皮膚がカサカサに乾燥することで強いかゆみを感じ、ついかいてしまうことで湿疹化してしまった皮膚の病気です。特に、皮膚が乾燥しやすい秋から冬の季節に多いのが特徴です。皮膚の一番外側には「角質層」という部分があり、健康な状態では水分を保ち、外からの刺激が入ってこないようにバリアする働きをしています。しかし、皮膚が乾燥すると、角質層にすき間ができて水分が蒸発しやすくなり、外からの刺激が入り込みやすくなってしまいます。さらに、かゆみを感じる神経線維の数が増え、長さも皮膚の外側に向けて伸び、刺激に敏感になるため、かゆみを感じやすくなるのです。

治療:皮脂欠乏性湿疹の治療では、塗り薬として乾燥を防ぐ「保湿薬」や皮膚の炎症をおさえる「ステロイド外用薬」などが使われます。また、かゆみがある場合は、かゆみをおさえる「抗ヒスタミン薬」の飲み薬が用いられます。

脂漏性湿疹

脂漏性皮膚炎の症状は多くの場合、徐々に現れます。頭皮に乾燥した又は脂ぎったうろこ状のかさつき(フケ)が生じ、かゆみを感じることもあります。ひどくなると、黄色から赤みがかった鱗屑を伴う隆起が、髪の生え際、耳の後ろ、外耳道、眉、鼻筋や鼻の周囲、胸、わきの下、背中の上部などにできます。生後1カ月未満の乳児では、頭皮に厚いかさぶたを伴う黄色い発疹(乳痂)ができたり、耳の後ろに黄色い鱗屑ができたり、顔面に赤い吹き出物ができることがあります。頭皮の発疹に伴い、治りにくいおむつ皮膚炎(おむつかぶれ)がしばしばみられます。より年長の小児や成人では、頭皮に厚い鱗屑を伴う治りにくい発疹ができ、皮膚が大きなフケのように剥がれ落ちます。

治療:成人と年長の小児では、薬用シャンプー、ケトコナゾールクリーム、コルチコステロイドクリーム。乳幼児では、ベビー用シャンプー、オリーブ油にサリチル酸を混ぜたもの、コルチコステロイドゲル。

 

異汗性湿疹

汗疱は、発汗の異常が原因であることを意味する異汗性湿疹と呼ばれることもありますが、この病気は発汗とは関係ありません。汗疱の原因は分かっていませんが、真菌感染症、接触皮膚炎、ストレスのほか、ニッケル、クロム、コバルトなどの特定の物質の摂取が一因になっている場合があります。青年や若い成人に多くみられます。この病気は小水疱から始まり、それが赤くなってじくじくし、続いて鱗屑(うろこ状のくず)が生じます。汗疱は、数カ月毎または数年の間隔を空けながら、突然発生しては消失します。数週間で自然に消えます。

治療
内服:抗菌薬
外用:湿布、コルチコステロイド、光線療法

 

じんま疹

特定の化学物質を吸入、摂取、注射したり、触れたりすると、じんま疹が起きることがあります。そのような化学物質は環境中にあったり、食物、薬、昆虫、植物などに含まれていたりします。そうした化学物質はほとんどの人にとっては無害です。しかし、そうした化学物質に敏感な人の場合、その化学物質(アレルゲンと呼ばれます)がアレルギー反応を引き起こすことがあります。つまり、免疫系がその化学物質に過剰反応するのです。しかし、じんま疹は常にアレルギー反応の一部として生じるわけではありません。例えば、自己免疫疾患により生じることがあります。自己免疫疾患では、免疫系が機能不全に陥り、自身の組織を異物と誤って認識し、攻撃してしまいます。また、一部の薬もアレルギー反応を誘発することなく直接じんま疹を引き起こします。精神的ストレスや特定の物理的条件(熱や光など)がじんま疹を引き起こすことがあります。じんま疹はたいていの場合6週間以上続くことはなく、急性に分類されます。6週間以上続く場合は慢性に分類されます。

急性じんま疹の原因として最も一般的なものは以下の通りです。
・アレルギー反応
・非アレルギー反応
アレルギー反応はしばしば食品(特に卵、魚、貝、ナッツ類、果物)や虫刺されに誘発されて起こります。ごく少量食べただけで、突然、じんま疹が現れる食品もありますが、イチゴなどのように、大量に食べた後でしかアレルギー反応が現れない食品もあります。多くの薬、特に抗菌薬もじんま疹の原因になります。また、物質が皮膚に直接触れた時(ラテックスなど)、虫刺されの後、または肺に吸い込まれたり、鼻を通して吸入されたりした物質に対する反応として、急激なアレルギー反応が生じる場合があります。非アレルギー性の原因には、感染症、薬、物理的刺激(圧迫や寒さなど)、精神的刺激(ストレスなど)、食品添加物などがあります。

慢性じんま疹の原因として最も一般的なものは以下の通りです。
・原因不明(特発性)の状態
・自己免疫疾患
食品に含まれる保存料や着色料、ミルクに含まれるペニシリンなど、その人にとってアレルゲンであることが知られていない物質を含む食品を繰り返し摂取している場合など、原因が見逃されやすい場合もあります。最大限の努力を払っても、原因は不明なままのことがよくあります。

治療:じんま疹に対しては抗ヒスタミン薬の内服薬が使用されます。このような薬はかゆみを部分的に緩和し、腫れを抑えます。効果を得るには、必要に応じてではなく、定期的に服用する必要があります。

痛み

ウイルス感染症

ウイルス感染症といえば、みずいぼ(伝染性軟属腫)やいぼ(尋常性疣贅)、ヘルペス(単純疱疹)など皮膚に直接感染するもの、はしか(麻疹)や三日ばしか(風疹)、みずぼうそう(水痘)のように全身に影響を及ぼすものなど多彩です。

治療:鎮痛作用のあるクリームや保湿クリーム、ときにかゆみを抑える抗ヒスタミン薬

 

口唇ヘルペス

Herpes(疱疹)という言葉は、小水疱(小さいみずぶくれ)が集った急性炎症性皮膚疾患のことをいっていま す。Herpesはギリシャ語で「這う」という意味で、もともとは真菌症(カビの感染症で、いんきんたむしなどがあります)や、丹毒、皮膚癌など這うように拡大する皮膚疾患すべてをさしていましたが、19世紀になって妊娠性疱疹、疱疹状膿痂疹、疱疹状皮膚炎、単純疱疹、帯状疱疹などの水疱性病変を作る疾患のみに使われるようになりました。しかし、現在は単にヘルペスというときは、単純疱疹、または帯状疱疹をさしています。

治療:軽症の場合、抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)の外用を行いますが、原則的には、抗ウイルス薬の全身投与が基本です。初感染や中等症の場合には、抗ヘルペス薬(アシクロビル、バラシクロビル)の内服を行い、重症例や免疫不全者では抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)の点滴静注を行います。細菌の二次感染を伴うことがあるので抗生物質の全身投与または外用を行うこともあります。

帯状疱疹

痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染では水痘(みずぼうそう)になりますが、この時に主に皮膚にでた発疹から神経を伝わって所属の後根神経節内にウイルスが潜伏するといわれております。後根神経節内に潜伏感染していたウイルスが何らかの誘因で、再活性化して発症するのが帯状疱疹です。誘因として過労や悪性腫瘍の合併を含めて宿主の免疫機能の低下、手術や放射線照射などがあげられます。ウイルスが再活性化されると神経節内で増殖し、知覚神経を通って表皮に達し、表皮細胞に感染しそこで更に増殖して、赤い丘疹や水疱が神経の走行に沿って帯状に出現します。他のヒトから感染して帯状疱疹になるわけではありません。

治療:帯状疱疹は抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル)の全身投与を出来るだけ早期に開始することが大切です。重症なものは、入院して抗ウイルス薬(アシクロビル、ビダラビン)の点滴静注が必要です。局所は、初期では非ステロイド抗炎症薬、水疱期以降では細菌二次感染を防ぐために化膿疾患外用薬、潰瘍形成したものでは潰瘍治療薬を貼布します

 

その他

 

レーザー治療・光治療

赤アザ・赤ら顔・ニキビなどでお悩みの方は、ダイレーザーVビームで安全にレーザー治療が行えます。赤アザや赤ら顔の「赤み」は皮膚の毛細血管が透けて見えている状態です。

その「赤み」の原因となっている毛細血管内の血液(酸化ヘモグロビン)にのみ反応する

レーザー光を患部に当てることによって異常な血管だけを破壊し、赤ら顔や赤アザを

治療していきます。

単純性血管腫・苺状血管腫・毛細血管拡張症は保険で治療が行えます。

治療:赤アザ(単純性血管腫・イチゴ状血管腫)・赤ら顔(毛細血管拡張症)・ニキビ(保険内:クリアタッチ)など